男の子なら昔、絶対に通ってきた「怪獣」。
「怪獣生物学入門」は大人になった生物学者が、
真剣に怪獣を生物学の視点で考察した書籍です。
怪獣好きだった人、必見の書籍です。
「怪獣生物学入門」 データ
著書名:「怪獣生物学入門」
著者:倉谷滋
新書版
256ページ
出版社: 集英社インターナショナル
出版日:2019/10/7
価格:968円
特撮好き怪獣好き生物好きなみなさんの必読の書「怪獣生物学入門」がおもしろくてタメになるのでおすすめします!
「怪獣生物学入門」 内容
「怪獣生物学入門」は、「怪獣とはどんな生き物なのか」ということを生物学的に考察した本です。
怪獣と一口に言っても、ゴジラ、ガメラ、マタンゴ、ドゴラ、ウルトラ怪獣など、わが国ではさまざまな怪獣が生み出され、考えられてきました。
それらの怪獣はただ単なるフィクションとしての価値だけではなく、科学的に考察できるものとしても価値があります。
怪獣というのは思いつきだけで出来上がるものではありません。
その容姿や特徴は必ずといっていいぐらい、我々の知る動物がベースになって作り上げられているのです。
すなわち怪獣とは「ありえたかもしれない新種」と言い換えることが可能なのです。
もちろん怪獣が既存の生物そのものを合成したただのキメラであるということは否定できます。
しかし怪獣を科学的に思考し、実験していくことで、その進化の道筋や実際に存在しない理由を解明することができると考えられるのです。
この本ではそういった怪獣の謎を解き明かしています。
「怪獣生物学入門」から学べること
生物学に精通した人が、どのように生命体を観察し、思考し、実験を行うのかということをこの本を読みながら体感することができました。
この怪獣が誕生するためにはどのような祖先や遺伝子が必要で、どのような進化を遂げなければならないのかを考えていくことがおもしろいです
。また、恐竜のイメージや復元図が時代を経るごとに変化していく理由についても詳しく述べられ、太古の昔のことを解明していくことのむずかしさを知りました。
「怪獣生物学入門」を読んで役立ったこと
生物学の知識をつければ、たとえ見たことのない生物に出会っても、「この生物にはこういう特徴があるからもしかするとこれの仲間かもしれない」というふうに予想が立てられるようになります。
それはとても役立つスキルであると感じます。
水族館や動物園などで、あるいは日常で、知らない生物に会ったとき、それがどんな生物でなにの仲間なのかを予想し、もし危険があるならばそれを回避できるようになるために、学んだ知識を活かしたいです。
「怪獣生物学入門」の感想
怪獣も特撮も好きな私にとって、大変興味深い内容が多く、特に怪獣と恐竜の違いはなにかの考察がおもしろかったです。
また怪獣の巨大化に関しても生物としてありうるかそうでないかを専門的に語っていて、なるほどと納得できる内容でした。
「怪獣生物学入門」残念だった点
紹介されていたウルトラ怪獣が少ないところがイマイチだと感じました。
エレキングやゼットンなど、メジャーどころで人気のあるウルトラ怪獣についてももっとページを割いて取り上げてほしいし、考察してほしいと思います。
「怪獣生物学入門」を読むべき人は?
空想上の生き物である「怪獣」を生物学の観点から、
大人が真面目に考察した書籍です。
入り口は「怪獣」でも、
生物学の視点から理論が組み立てられますので、
好きな怪獣をファンタジーだけではなく、
真面目に科学したい人にオススメです。
また、子供が生物学を学ぶきっかけになるかもしれません。